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by raccoon560

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プロコフィエフのバイオリン協奏曲第1番

私の世代の日本人の場合 クラシックの名曲との最初の出会いが
レコードだったというケースがとても多いのではないかと思う。
自分にとってプロコフィエフのバイオリン協奏曲第1番は
レコードでうまく出会えなかった苦い思い出のある曲だ。

最初に聴いたのは、図書館の新譜LPで
チョン・キョンファが独奏していた。
たぶん宇野さんだと思うのだが ライナー・ノートは絶賛の嵐!
ところが当時おそらく高校生だった自分には
さっぱり面白い曲だとは感じられなかった。
でも本を読むと 名曲だと絶賛しており、中でもシゲティの演奏が極めつきだという。
そこで シゲティがロンドン交響楽団と協演したフィリップス盤のLPを
自分で購入した。
当時それが廉価盤だったということもチョイスの理由だったかもしれない。
ところが そのLPを聴いてさらに失望した。
そして高校生でいっぱしのクラシック・オタクであったゴローさんは
プロコフィエフのバイオリン協奏曲を駄曲と決めつけて
かなり長いこと聴こうとしなかったのだった。
今にして思えば プロコフィエフの音楽といっても
「ピーターと狼」ぐらいしか知らなかったわけだから
そこから一足飛びにバイオリン協奏曲第1番に親しむには
ちょっと無理があったようだ。

その後大学に入って プロコフィエフのバレエ音楽「ロミオとジュリエット」に出会ったり、
レッスンでプロコフィエフの無伴奏バイオリン・ソナタを習ったりと
プロコフィエフの音楽に馴染むきっかけがいくつかあった。
アルゲリッチが独走するピアノ協奏曲第3番のLPを買って
繰り返し聴くようになった。
また尊敬する先輩が プロコフィエフの第2番の方のバイオリン協奏曲を得意としていたので
ハイフェッツが演奏する第2番の協奏曲のディスクを買った。
そちらは 意外とすぐに好きになれた。
しかし バイオリン協奏曲第1番には ぬぐいがたい苦手意識が残っていた。

そんな苦手意識を一蹴したのが
シェロモ・ミンツがアバド指揮シカゴ交響楽団と協演したグラムフォン盤だった。
その前に同じコンビで メンデルスゾーンとブルッフの協奏曲のLPが出ていて
ミンツのバイオリンの瑞々しい音色に心酔していたので
「苦手のプロコかぁ・・・」と思いつつ、つい手が出て購入してしまった。
それで 初めてバイオリン協奏曲第1番に開眼した。
「なんて美しい曲なんだろう!」と思い、夢中になって繰り返し聴いた。
およそバイオリン協奏曲の定石を全部逆手にとったような天の邪鬼な曲だが
ミンツの類まれな美音がカギとなって
その魔法の王国に入り込むことができたのだと思う。
最初に聴いたチョン・キョンファ盤やシゲティ盤で そうならなかったのは
自分の耳が幼かったせいもあるが、
演奏が、そして録音状態も含めてレコードとして いまひとつだったのではないだろうか。
聴き手にとって真に出会いとなる「最初の一枚」のディスクは、
プロコフィエフのバイオリン協奏曲第1番_a0221320_11321238.jpg

実に大切なものなのだ。
先の週末に 今注目のバイオリニスト、イザベル・ファウストがN響と
プロコフィエフのバイオリン協奏曲第1番を演奏するの楽しんだ後で
そんなことを考えていた。
by raccoon560 | 2012-02-15 11:32 | 音楽