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by raccoon560

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ラ・ヴァルス

ラ・ヴァルス_a0221320_10304848.jpg
オーディオ評論家の菅野沖彦さんが、ある時自分のオーディオ装置の目標は
オーケストラ音楽だったらR.シュトラウスの「死と浄化」を
自分のイメージのままに再生することだと書いていた。
私にとって そのような究極の課題曲は、オーケストラ音楽だったら
ラヴェル作曲の「ラ・ヴァルス」だ。
これまで何十種類のレコードを購入したかわからないが、
かれこれ40年ぐらい走り水のような幻のイメージを追いかけている気がする。
それほどのオーディオ難曲なのである。
CDが出てから良く聞いたのは、プレヴィン指揮VPOのフィリップス盤で
これは実に演奏も録音も優れたディスクだった。
当時のCD再生は、現在に比べれば至らないところが多々あったが
この「ラ・ヴァルス」を聴くと もはやLPには戻れないと痛感させられた。
言いかえれば自分の場合は、そうした再生を志向していたから
早い段階で LPからCDに移行できたのだろう。
現在は ヤンソンス指揮RCO-Live とパーヴォ指揮シンシナティのテラーク盤という
2種の優秀録音SACD盤を聴く。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2694000

「ラ・ヴァルス」~英語では The Waltz つまり「究極の円舞曲」だ。
この曲は、「オーケストレーションの魔術師」と言われたラヴェルのマジックが
凝縮されていると思う。
オーケストラの鮮やかな色彩感、炸裂するような激しいダイナミック・レンジ
心をとろかすような官能的な響き・・・
オーケストラの様々な楽器固有の音色を 原色的にポンポン羅列するのではなく
色々な音色の要素を組み合わせて上記のような表現を成し遂げる・・・
その仕掛け造りの巧みさがラヴェルならではなのだ。
オーディオで再生する時は、特に冒頭の2分間ぐらいが厳しい。
2つにわかれて違うことを奏でるコントラバス群、それにハープの低音
ファゴット、ヴィオラ・・・・と
中低音から低音でモヤモヤモヤモヤしている。
音楽の輪郭をきっちり描き出す楽器が登場しない。
だから中学生で初めて聴いた時は、この最初の2分で匙を投げて針を上げてしまった。
低音がブオブオ・モヤモヤする・・・オーディオ再生で皆が最も忌み嫌うようなサウンドに
どこか共通点があるのだ。
しかし そこに装置の調整の不備でヘンテコリンに聴こえるのか
実際ヘンテコリンな響きなのか・・・が中学生の時にはわからなかった。
映像に例えると 鮮明な映像を鮮度感を落とさずあるがまま鮮明に伝達するのも大事だが
「ボケ味」みたいなものをキチンと伝えるのはさらに難しいのではないか。
例えば、モネ描くルーアンの大寺院や睡蓮は、現実的なかっちりしたフォーカス感が失われたところに
光のふるまいの美しさを捉えているが
それを伝えるためには 真の高解像度が必要なわけである。

話はラヴェルから大きく脱線したが、昨日N響演奏会で収録された「ラ・ヴァルス」の映像を見ていて
この「ラ・ヴァルス」という曲の場合は、映像を見ることで色々なオーディオ再生のヒントが掴めるのではないかと思った。
オーディオ・マニアにスコア(楽譜)を見なさい・・というのは酷だと思うが
映像付きで観ることは、生の演奏に接するのと同様に
楽譜を読むに匹敵するような多くのイメージを得ることが出来る・・・あらためてそう思った。 
by raccoon560 | 2012-07-16 10:30 | オーディオ